1級建築施工管理技士 過去問
令和8年(2026年)
問57 (施工管理法(応用能力) 問7)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

1級建築施工管理技士試験 令和8年(2026年) 問57(施工管理法(応用能力) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、ここでいう建設業者とは、発注者から直接建設工事を請け負った者とする。
  • 建設工事の施工において作成した完成図は、建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから5年間保存することとした。
  • 工事記録用として小黒板情報の電子的記入を行ったデジタル写真は、編集を行わずにそのまま工事写真として使用することとした。
  • 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液等の記録は、建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存することとした。
  • 建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付していないものは、保存しないこととした。
  • 建設工事の施工において作成した施工体系図は、建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保存することとした。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、「建設工事の施工において作成した完成図は、建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから5年間保存することとした。」です。

 

発注者から直接工事を請け負った建設業者には、工事後のトラブルや不具合が生じたときに施工内容を確認できるよう、一定の図書を保存する義務があります。

完成図は、帳簿などの「5年間保存」とは異なり、建設工事の目的物を引き渡したときから10年間保存する図書です。現行の建設業法施行規則でも、この保存期間は10年間とされています。

選択肢1. 建設工事の施工において作成した完成図は、建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから5年間保存することとした。

完成図とは、工事が完成した時点で建物がどのような状態になっているかを示す図面です。

 

発注者から直接工事を請け負った建設業者が、施工上の必要に応じて作成したり、発注者から受け取ったりした完成図は、目的物の引渡しから10年間保存します。

 

したがって、「5年間」としている部分が誤りです。

 

なお、帳簿やその添付書類は原則5年間ですが、完成図などの「営業に関する図書」は10年間です。この違いを区別しておくことが大切です。

選択肢2. 工事記録用として小黒板情報の電子的記入を行ったデジタル写真は、編集を行わずにそのまま工事写真として使用することとした。

電子小黒板は、工事名、工種、撮影内容などの情報を、撮影時にデジタル写真へ組み込む仕組みです。

 

この方法による小黒板情報の電子的記入は、通常は禁止される「撮影後の写真編集」とは扱われません。

 

そのため、撮影後に写真そのものを編集せず、そのまま工事写真として使用する方法は適切です。

国土交通省も、改ざん検知機能を備えた仕組みを前提として電子小黒板の利用を認めています。

選択肢3. 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液等の記録は、建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存することとした。

既製コンクリート杭では、杭が設計どおりに施工されたことを後から確認できるよう、施工サイクルタイム、電流値、根固め液の注入状況などを記録します。

 

これらは、杭の施工品質を証明するための重要な資料です。そのため、保存期間を定めて確実に保存します。

 

なお、既製コンクリート杭施工管理の指針では、こうした重要な施工記録について、建物の存続期間にわたって保存する考え方も示されています。

選択肢4. 建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付していないものは、保存しないこととした。

建設業法上、保存が義務付けられる発注者との打合せ記録は、工事内容に関する記録のうち、請負契約の当事者が相互に交付したものです。

 

そのため、建設業者が内部用として作成しただけで、発注者と相互に交付していない打合せ記録は、この規定による保存義務の対象にはなりません。

選択肢5. 建設工事の施工において作成した施工体系図は、建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保存することとした。

施工体系図は、元請業者と下請業者がどの工事を担当しているかなど、工事全体の施工体制を分かりやすく示した図です。

 

法令上、施工体系図を作成する工事では、営業に関する図書として、目的物の引渡しをしたときから10年間保存します。

 

完成図と同じく、施工体系図も10年間保存する図書として覚えておくと分かりやすいです。

まとめ

建設工事の記録では、書類の種類によって保存期間が異なります。

 

特に重要なのは、帳簿などの原則5年間保存と、完成図・発注者と相互に交付した打合せ記録・施工体系図などの10年間保存を区別することです。

 

この問題では、完成図を「5年間保存」としている点が誤りで、完成図は目的物の引渡しから10年間保存します。

 

また、電子小黒板を用いた工事写真や杭工事の施工記録についても、後から施工状況や品質を確認できるよう、適切に記録・保存することが大切です。

参考になった数2