1級建築施工管理技士 過去問
令和8年(2026年)
問53 (施工管理法(応用能力) 問3)
問題文
鉄骨の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
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問題
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1級建築施工管理技士試験 令和8年(2026年) 問53(施工管理法(応用能力) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 裏当て金は、母材の鋼種と同等の平鋼を用いた。
- 490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。
- 溶接作業場所の気温が-5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。
- 完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛りの高さが3mmであったため、グラインダ仕上げを行わなかった。
- 溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認したうえで、割れ及び割れの端から50mm以上溶接金属を除去し、補修溶接を行った。
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この過去問の解説 (1件)
01
最も不適当なのは、「溶接作業場所の気温が-5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。」です。
鉄骨の溶接では、気温が低いと溶接部が急に冷え、割れなどが発生しやすくなります。
この問題で用いられている施工基準では、気温が-5℃を下回る場合は溶接を行いません。
母材を加熱して施工できるのは、気温が-5℃から5℃程度の場合です。
裏当て金は、完全溶込み溶接などで、溶けた金属が裏側へ流れ落ちるのを防ぎ、十分な溶込みを確保するために使用します。
裏当て金には、原則として母材と同等の鋼種の平鋼を使用します。
母材と性質が大きく異なる材料を使うと、溶接部分の性能に悪い影響を与えるおそれがあるためです。
490N/mm2級の鋼材では、溶接部に水素が入り込むと、低温割れなどが起こるおそれがあります。
そのため、被覆アーク溶接を行う場合には、水素の発生を抑えられる低水素系溶接棒を使用します。
特に、強度の高い鋼材ほど溶接割れに注意する必要があります。
低温の状態で溶接すると、溶接した部分が急速に冷え、割れが生じる危険が高くなります。
この問題で用いられている基準では、気温が-5℃を下回る場合は、母材を加熱しても溶接を行いません。
気温が-5℃から5℃程度の場合には、溶接部から100mm程度の範囲の母材を適切に加熱したうえで、溶接することができます。
したがって、-5℃を下回っているのに、100mmの範囲を加熱してそのまま溶接した点が誤りです。
余盛りとは、母材の表面より盛り上がっている溶接金属の部分です。
余盛りが大きすぎたり、表面に大きな凹凸があったりすると、そこに力が集中しやすくなるため、グラインダなどで滑らかに仕上げます。
一方、余盛りの高さが3mm程度で、形状にも問題がなければ、グラインダ仕上げを行わなくても差し支えありません。
溶接部に割れがある場合は、そのまま上から溶接して隠すのではなく、割れた部分を確実に取り除いてから補修します。
割れの範囲を適切な試験で確認した場合は、割れ部分と、その端から50mm以上の範囲の溶接金属を除去してから再溶接します。
これは、目に見える割れの先にも小さな割れが続いている可能性があるためです。
現行の公共建築改修工事標準仕様書にも、この補修方法が示されています。
鉄骨の溶接では、鋼材や溶接材料だけでなく、気温や母材の状態、溶接後の仕上がりにも注意する必要があります。
490N/mm2級の鋼材を被覆アーク溶接する場合には低水素系溶接棒を使用し、裏当て金には原則として母材と同等の鋼種を使用します。
また、表面割れが見つかった場合は、割れとその周囲を十分に除去してから補修溶接を行います。
この問題では、-5℃を下回る低温時に、母材を加熱するだけで溶接作業を行ったことが不適当です。
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